第265章 どうしても悔しい!

「……さすが、あの人の筆致だわ」

宮本のお祖母ちゃんは息をのむように言い、絵から目を離さなかった。

「マスターは生涯、作品数が少ないうえに晩年は筆を折った。市場に出回る真作なんて、指で数えるほどよ。……あなた、あなたがこの一枚を見つけてくるなんて!」

そして堪えきれない様子で、身を乗り出す。

「これは『雨上がりの女』……そうでしょう?」

福田祐衣は、にこりと笑って頷いた。

その瞬間、田中紗枝の笑みが、じわりじわりと顔面で凍りついた。

さっきまで大声で嘲笑っていた数人も、言葉を失って突っ立っている。満面の喜びで絵に見入る宮本のお祖母ちゃんを、呆然と眺めるばかりだった。

――ギリ...

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